札幌保健医療大学

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設置の目的・教育目的・教育目標・3つのポリシー

設置の目的

 本学では我が国および北海道が抱える保健医療の諸課題と保健医療学の将来展望を踏まえ、学部教育の特色とこれまでの実績をもとに、大学院を設置することとなりました。本学が設置する大学院保健医療学研究科保健医療学専攻(以下「本研究科」という。)は、保健医療学の一翼を担う看護学・栄養学を基軸に、個々の有する専門性を多職種連携の視点から伸長・発展させ、高い専門的能力をチーム医療で発揮できる質の高い保健医療専門職としての学識と、研究力・教育力の基盤を養う課程としています。そのため、看護師・保健師・助産師(以下「看護職」という。)・管理栄養士が自らの職種と他方の職種の視点から保健医療学分野の課題、連携・協働に必要な知識・技術を学修することで自己の専門性を高め、高度かつ機能的な多職種連携を可能にする能力を培います。
 現代の保健医療は高度に専門化・複雑化しており、課題の改善・解決には異なる知識・能力を有する複数の専門家の連携・協働が必須であり、個々の専門職には自己の有する専門性を連携・協働体制のもとに高いレベルで発揮することが求められます。質の高い保健医療の実現には互いの専門性を理解して相補的に役割遂行できる人材が必要ですが、各専門職の依拠する学問分野を広く理解し連携・協働するのは不可能な現状にあります。そこで本研究科においては、健康・生活・栄養という共通の視座を有する看護職・管理栄養士がそれぞれの専門性を高めるとともに、保健医療チームの有機的な連携・協働を推進し効果的に機能させるための実践力と、基本的な研究力・教育力を有する人材の育成を行います。

教育目的

 保健医療の専門職として、幅広い学識を涵養し、看護学と栄養学の各分野での専門性の向上、他者との連携・ 協働力の強化、 マネジメント力の醸成とともに、相互の専門分野の知見を応用できる実践能力の基盤を備え、 かつ将来の教育・研究に携わることのできる人材を育成する。養成する人材像は次のとおりである。
・ 地域に暮らす人々の健康生活の向上を支援する保健医療において、高度な実践および教育・研究活動を もって貢献できる人材
・ 健康障害をもつ人々の健康回復と生活再生を支援する保健医療において、高度な実践および教育・研究 活動をもって貢献できる人材

教育目標

① 自身の専門性の伸⾧・向上、人々の健康の維持・増進、健康回復、生活再生に向けた高度な実践を可能 にする知識・技術を教授し、保健医療が抱える課題の解決・改善のために行動できる能力を育成する。
② それぞれが立脚する専門分野の発展と実践の質的向上、地域社会への貢献のため、創造的かつ科学的な 思考と、多職種連携・協働に資する自律的な行動ができる能力を育成する。

3つのポリシー

  1. 学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
     本研究科では大学院学則に則り、必要な修業年限を満たしたうえで、所定の単位を修得するとともに次の能力・資質を有し、修士論文の審査および最終試験に合格した者に、修士(保健医療学)を授与する。

    (1)保健医療学の視点から自己の専門性を高めるとともに他職種の知識・技術に関する理解を深め、それらを保健医療の実践に活用できる能力を有している。
    (2)保健医療学の役割・仕組みを総合的に理解し、健康・生活・栄養に係る課題の改善・解決への道筋を構築する能力を有している。
    (3)複雑化・多様化する保健医療の場において、保健医療学の発展と地域への貢献のため、主体的に行動する意欲を有している。
    (4)保健医療学の研究、保健医療の実践に係る倫理を深く理解し、諸場面に適用できる能力を有している。
    (5)保健医療の実践に係る多職種連携・協働、保健医療学の探究に求められる高いコミュニケーション力と機能推進のためのマネジメント力を有している。
    ディプロマ・ポリシーの達成状況は、履修科目の学修成果、修士論文の審査と最終試験の結果等に基づき評価する。

     
  2. 教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
     本研究科では大学院の教育研究上の目的に基づいて、専門科目群に「健康増進支援領域」と「健康再生支援領域」の2領域を設け、学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)を達成するために次のような方針の下、教育課程を編成し、実施する。

    (1)教育内容
    ① 応用科学である保健医療学において、看護学・栄養学に立脚する専門職種間の相互理解を深め、修得した知識・技術を社会に還元するとともに新たな保健医療の創造を可能にする教育課程とする。
    ② 健康・生活・栄養を基軸に保健医療学共通の知識基盤を形成する共通科目群、専門領域の知見を集積し保健医療学の課題に取組む専門科目群で教育課程を編成する。
    ③ 共通科目群には、保健医療学共通の知識基盤と看護職と管理栄養士の連携・協働に不可欠の知識・技術、保健医療学研究の基礎となる研究方法等の科目を配置する。
    ④ 専門科目群には、「健康増進支援領域」と「健康再生支援領域」を置き、専門領域に関わる知見を深める特論と、先行研究から最新の動向を把握して研究課題の明確化につなげる特別演習、各自の課題に基づき研究過程を展開する特別研究を配置する。専門科目群では、自らの職種と他職種の視点から保健医療の現状と課題・対策を広く学修するため、選択した専門領域以外の特論科目の履修を必須とする。

    (2)教育方法
    ⑤ 文献検討、グループワーク、ディスカッション、プレゼンテーション等を通して、科学的・倫理的思考力、表現力を涵養する。
    ⑥ 特別研究では、指導教員の指導のもとに、自らの専門に関連した研究課題を設定し、研究計画の立案・実施を経て研究論文を作成する研究過程を展開する。

    (3)教育評価
    ⑦ 授業科目の評価は、科目の目的に応じてレポート、提出物、プレゼンテーション、ディスカッション等から客観的に行う。
    ⑧ 特別研究で作成した研究計画書は中間報告会により形成的評価を受ける。修士論文は審査委員会において審査基準に基づく審査を行い、修士の水準を満たしていると判定された場合に最終試験を実施する。
     
  3. 入学者の受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)
     本研究科では保健医療福祉の場における実践者、将来の教育者・研究者に求められる人間的素養、保健医療学分野における専門的能力の向上に意欲を有し、地域の保健医療福祉に貢献しうる人材を求めている。入学者に期待する能力・資質は次のとおりである。

    (1)保健医療学分野に対する強い関心と学修意欲を有している人
    (2)保健医療学分野における看護・栄養の諸課題を探究する意欲を有している人
    (3)保健医療学分野におけるコミュニケーション能力の向上をめざしている人
    (4)保健医療に携わる者としての望ましい社会的態度と倫理観を有している人